基礎的なイラスト練習の1つに『箱を描く』というものがよく挙げられます。
これは「立体の基本である箱(立方体)を様々な角度で破綻なく描けるようになれば空間把握能力が養われ画力が向上する」ということらしいです。
参考:【マエコのデジタル工房】立体的な絵が描けない、を解決する!空間把握・認識能力をガンガン鍛える練習方法とは?!パースについても解説
ただ、箱を描き続けるだけじゃ楽しくないですし続けられる気もしませんよね。
そんななか、箱を描く練習についてTwitterでちょっと面白そうなものを見つけたので実践してみました。
『立方体の九九』という練習法です。
立方体の九九について
『立方体の九九』はイラスト講師の湯浅誠(@yuassamakoto)さんが提唱している練習法。
立方体を縦方向に10段階・横方向に6段階の計60アングルに分類し、掛け算の九九のように描き分けていく方法です。
パースはきっちり取って描くのではなく、感覚で描いて立方体を目と手に覚え込ませる感じ。
1段ごとに少しずつグルグル回しながら描いてみたり、アングルを指定して描いてみたりと、隙間時間にさっと出来るので続けやすいのが良いところです。
立方体の描き方
立方体の描き方については、湯浅さんは丸から描き始める方法を取っています。
まず真円で立方体の大まかなアタリを取り、縦方向→横方向の順でアングル(3つの面の見える割合)を決定。一定のパースをかけながら立方体を構築していきます。
この描き方は個人的にかなりしっくり来ました。立方体を描くためにまず円を描くというのは自分にはなかった発想です。
立方体の九九をやってみて学んだこと・気づき
実際に『立方体の九九』をやってみてわかったこと・感じたことをまとめてました。
最初に描く丸について
湯浅さんが推奨している立方体を丸から描き始める方法ですが、これについて湯浅さんは「ボリューム」という言葉をよく使っています。
おそらく丸は万能の「アタリ」でなく「丸に内接・外接するように箱を描けば良いというわけない」ということだと思いました。
わかりやすい例だと、「真正面から見た立方体」と「横方向に45度回転させた立方体」では見かけの縦横比が大きく変わり、同じ大きさの丸では対応しきれません。


丸はあくまで立方体のボリューム感(厚み)を意識するための目安と考え、アングルによって適宜調整してみるのが良いかと思います。
円柱をイメージする
2角目の曲線は円柱の上面をイメージすると描きやすいと思います。
よく見える面ほど立方体に近づく
立方体は全ての面が正方形で構成されているので、1面を真正面から見えると当然正方形のように見えます。
そこから縦横に角度をつけることでパースが発生し形がどんどん変化していくわけですが……。
言い換えれば「カメラ側に向けば向くほど正方形に近づく」ということでもあります。
言ってることは至極当たり前ですが描いてるときにはついつい忘れがちな法則。「どこか歪んでいる」「立方体に見えない」時はよく見えている面を変形させすぎているということが多いです。
立方体が薄く見える原因
練習を始めて僕がよく陥っていたミスは「立方体の奥行きが表現できず薄い板のようになる」というものです。
これは「奥行きのパースが甘い」「正面に近い面を変形させすぎ」というのが原因。
2面が薄く見えるアングルの場合は奥行きを表す2つの線の角度を強くすることで立方体っぽくなります。

もしくは一番大きく見える面が歪みすぎている可能性も考えられます。

見えない裏側の部分も描いてみると立方体になっているかわかりやすいです。
まとめ
『立方体の九九』は立方体の練習方法としてはとっつくやすく楽しいです。
本当に基礎中の基礎レベルではありますが、基本は大事ですからね。ちょっと暇なタイミングや絵を書き始める前のウォーミングアップにも最適だと思います。
コメント