こんにちは、たんく(@tankoekaki)です。
突然ですが皆さんは絵が上手くなる方法を知りたくはありませんか?えっ、知りたくない?そうですか……
世界でただひとり、僕しか夢見ていないこの願いを、簡単に叶えてくれる本がどこかにないかなぁ……
というわけで今回は『絵がふつうに上手くなる本』という本を紹介したいと思います。
著者はイラストレーターのよー清水(@you629)さん。
FF7リメイクやヒプノシスマイクにも携わっている現役バリバリのプロです。Twitterのフォロワー数も9万人を超えており、絵に関するツイートがたびたびバズっているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
この本はよー清水さんの経験を元に、基本的な絵の描き方や上達方法、魅力的な絵とは何か?さらにイラストレーターとしての働き方など、我々にはわからないプロや神絵師にとっての「ふつう」をわかりやすく言語化した1冊となっています。
絵に興味のある初心者からプロ志望や現役のイラストレーターまで、誰にとっても学びの多い技法書です。
絵がふつうに上手くなる本について
本書は379ページに及ぶ大ボリューム。主な内容は以下の3項目で構成されています。
- 絵を描き始めたい
- 絵が上手くなりたい
- 絵を仕事にしたい
第1部は「絵を描いてみたいけど何をすればいいのかわからない!」という完全な初心者に向けた内容。
この本ではまず模写、特に初心者でも簡単に行える『グリッド模写』をオススメしています。お手本そっくりの絵を描いてお絵描きを楽しみつつ、モノをしっかり観察するチカラを育てることが狙いです。
また、クリップスタジオを使用した色の塗り方についても、沢山の画像を交えながら説明してくれています。
第2部は少しステップアップして、絵の上達方法について。
「上手い絵とは何か」という定義から始まり、立体感の表現方法や共感されるイラストの作り方、ライティングの基本など、具体的な技術について詳しく解説しています。
また、最近よく耳にする「よく見て描く」「資料を見ながら描く」についても詳しく言及。
「よく見るってつまりどういうこと?」という初心者の疑問をわかりやすく言語化してくれています。
そして第3部では絵を仕事にする方法を紹介。
プロのイラストレーターに必要なことや美大・専門学校に進学するメリット・デメリット、プロとして仕事を獲得する方法、SNSの上手な使い方などなど……
プロになる前段階からプロとして長く食べていくコツを、現役イラストレーターの経験から100ページに渡って解説されています。
こんな感じで、絵が上手くなる方法だけに留まらず、絵を描く人間なら抱くであろう悩みも解決してくれる一冊です。
読んでみた感想
とりあえずひと通り読んで思ったことをまとめてみました。
大ボリュームだが読みやすい
『絵がふつうに上手くなる本』は全379ページと、かなり分厚い本となっています。
しかし、「ページが多いだけで内容は薄い」なんてことはなく情報量たっぷりの読み応えがある技法書です。
では読むのも大変なのか?と言えばそんなことはありませんでした。
わかりやすい文章でまとまっているのでスラスラと読めてしまいます。実際、僕も2日でひと通り読んでしまい、今は現在の自分にとって重要な部分を読み返しているところです。
また、基本は文章で表現されていますが要所でイラストも使われており、視覚的にも楽しめるようになっています。
メイキングなら工程ごとの画像がついていますし、作例としてよー清水さんが描かれた美しいイラストも添付されています。文鳥のコミカルなイラストなんかもあったりして目でも楽しめます。
普段本を読まない方でも気軽に読めるんじゃないでしょうか。
内容はイラストレーター向け
筆者がイラストレーターなので当然と言えば当然ですが、『イラスト(一枚絵)』に関する話題が中心です。
特に、よー清水さんが得意とするコンセプトアート系のイラストについての解説が多いです。構図の基本やテーマの伝え方、光源など、一枚絵をより魅力的に描くノウハウが詳しく解説されています。
逆に言うと、キャラクターイラスト向きの話題は少なめ。
「人体の描き方」や「魅力的なキャラの描き方」と言った分野には触れていないので、「美少女が描きたい!」「漫画が描きたい!」といった目的のある人は他の教本で補足する必要があります。
一度にすべてを理解するのは難しい
この本は「絵を描いてみたい人」から「すでにプロの人」までを読者ターゲットに設定しています。
そのため、プロ志望や現プロにとって第1部はいまさら読むものではありませんし、逆にお絵かき初心者は第2部以降の内容は難しいと思います。
また、第3部の「絵を仕事にしたい」はプロになる気のない人にとって興味のない内容かもしれません。
ただし本書は全379ページの大ボリュームとなっており、仮に第3部を除いたとしても300ページ。十分読み応えのある本だと思います。
まとめ
こんな感じで『絵がふつうに上手くなる本』はイラストに興味がある人なら誰でも学びになる部分がある本となっています。
以下の条件に当てはまる人が特にオススメです。
- 絵を始めたいと思っている
- ネットで絵に関する情報を集めていない
- よー清水さんのような絵を描きたい
- イラストレーターを目指している
- すでにイラストレーターとして活動している
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